Święto Zmarłych
11/01(日)ポーランドは祝日。
黄金の秋ももう終わりにさしかかり、黄色だった葉っぱたちは落ちてしまい、
茶色い絨毯を作り始めています。
祝日や週末は基本的には地方の実家へ帰る人で下りが混むのですが、
この日ばかりは違います。上りが混むのです。
何故かというと、ワルシャワにヨーロッパ一広いと言われる墓地があり、
その他にも広い墓地が沢山あるからです。
先日作ったリースをついにお墓に持っていく日が来ました!
facebookでは民族舞踊を現代でも残している団体「Mazowsze」
https://www.mazowsze.waw.pl/
がお墓詣りしている様子を載せていたので、こちらでも紹介します。
この墓地はショパンの両親・姉妹が眠っているCmentarz Powązkowski です。
Tadeusz Sygietyńskiのお墓参りをするmazowszeのメンバー
“Tadeusz Sygietyński(タデウシュ シギエティンスキ)・・・
ポーランドの作曲と導体、教育者、国立民俗歌と踊りのアンサンブル
「MAZOWSZE マゾフシェ」の創設者(1948年)”
Stanisław Jopekのお墓の前で。
“Stanisław Jopek・・・ソリスト(テノール)として
「マゾフシェ」で40年以上活躍した人気歌手。
彼はすべてのコンサートでチームに同行。
彼はショパン、モニューシコ、ポーランドキャロルのみならず、
民謡「マゾフシェ」も歌った。”
ワルシャワに限らず現代ではもうすっかり民族衣装を着ることはなくなったようですが、
今でも一部の村ではこうした重要な日に着るそうです。
日本で例えるなら着物を着てお盆のお墓参りしているところですね。
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さてさて、私たちが行くお墓はそこまで広くはないと言いたいのですが、それでも広い。
日本も墓石は上に高いだけでそんなに大きくないと思いきや、
一家の敷地としては昔スタイルだと結構大きいですよね。
でも最近はアメリカみたいに石に一言かく新しいスタイルもあるとか。
土地がないからと、マンションのようなところにある番号で呼び出せば
ウィーンと出てくる墓(というかミニ仏壇?)は土地がない工夫として最先端だと理解できるのですが、
なんだか、あの小さな石に苗字も書かず一言だけ書いて置く新しいスタイルのはなじめません。
お墓には家紋を入れて、○○家の墓とあるのが私の中の日本らしさ。
実家付近では田舎なのでみんな同じ苗字なのですが家紋が違うのが面白い。
家紋文化はもっと流行ってもいいと思うのですが、ダメでしょうか。
家紋図鑑なんて見ているだけでとっても面白いのに!
ちなみに私の家の家紋は「抱き茗荷」でした。
刀ブームから流れはきているのでしょうか?(来てほしい)
私の好き嫌いはおいておいて、
ポーランドはカトリックですからもちろん土葬。
(でも火葬する人も稀にいるらしい)
なので棺桶サイズがしっかり入らなければならないので、背が高いこちらの人
ですから、やはりそれなりに一つの墓石が大きいのです。
朝一で主人はワルシャワにある親戚の墓地へとおばあちゃんと出かけたので、
その時に見せるようにこのリースは先に車へ積まれたのでした。
リースを見せてもらったら「みんなスゴイって褒めていたよ^^!」と主人。
よかった~喜んでもらえたー♪
綺麗な夕日が見られました。
そして晩御飯を早めに食べて19時過ぎ。
「よし、そろそろ行こうか!」
「ワーイ!」
昼間ほどではないにしても、やはり夜も混み合う墓地周辺。
道が一方通行になっていたり、駐車場もいっぱいなので、
遠くに止めて歩いていくことに。
大きなリースをもってちょっとウキウキです♪
そしてついたお墓!
いつもと雰囲気が全然違います!!
「きれーい!!それにあったかーい!」
そうなんです、暖かいのです。
たくさんのキャンドルは、日本でいうお線香替わり。
こうして訪れた人はキャンドルをお墓に置いていくのですが、
この日は一段と多くのキャンドルがおいてあって、とても綺麗なのです。
そして、この日の定番のものはたくさんのキャンドルの他にもあります。
それは、花。特にこの写真の中央に移っているまん丸に育てられた小さな菊が定番のようです。
白・黄色・紫の3色が定番のようで、どの色でも特に意味があるわけではないそうですが
これも置きます。
それからあとは、違う花を置いたり、特別な大きなキャンドルだったり。
どこを見ても、本当に綺麗です。
お墓の隣にベンチを用意してあるのですが、そこに座って眺めていました。
そして私たちもリースを置いてキャンドルを置いて飾りました。
親戚が多くないので周りと比べてしまうと少し寂しい気もしますが、
「何を言ってるんだ、パーフェクトじゃないか!」と主人は大満足です。
ついつい比べてしまう日本人だと自分で気づきました。
そっか、そうですよね、これは競うものではなく、気持ちですもんね。
分かっていても、ついキャンドルの数を数えてしまう、花の華やかさを気にしていました。
周りと比べない・自分は自分・そして何よりも重要なのは気持ち。
(だから綺麗に梱包したプレゼントも見た目気にせず
ビリビリにされすぐ開けて(食べて)しまうのです・・・
大事なのは「くれたという気持ち」なので・・・でもこれはちょっと悲しい。笑)
このポーランド生活で学んだことは忘れないようにしていこうと思います。
それが自分の幸せにも繋がると思いますしね🙂
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この後、隣町にある主人の同僚のお墓にも行きました。
ちょうど彼のお母さんがいて、
「こんばんは、息子の知り合いですか?」
「えぇ、同僚です。」
「そうでしたか、来てくれてありがとう。」
と泣いていました。
この日(11/01)は彼の誕生日だそうで、
生前は「11/01が誕生日なんて最高じゃないか(皮肉)」なんて言っていたそうですが、
まさかこんなに早く亡くなるなんて誰も思っていなかったので
この日は誕生日とお盆で重ねて悲しい日となってしまったそうです。
私はこのキャンドルの綺麗さに浮かれてしまっていたけれど、
それぞれの家族にとっては悲しい日ですよね。(彼は去年亡くなったばかり。)
私は彼と会ったことはないですが、主人からいつも話を聞いていたので
たくさんのキャンドルを見て、同僚のみんなも来たのかなと
少ししんみりしました。
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ポーランドのハロウィン、いや、お盆はとても神聖さを感じる日でした。
今年は念願の夜の死者の日お墓参りに来れていい思い出になりました。
★去年(2014年)の記事もあわせてどうぞお楽しみください^^
★ワルシャワにあるヨーロッパ一広いと言われる墓地Cmentarz Brodnowskiについてはこちらからどうぞ★
★ショパンの両親が眠るCmentarz Powązkowskiについてはこちらからどうぞ★
— 余談 —
去年は一人来たので、今年はもっと!?と思って準備したのですが、
一人も来なかったという寂しい結果に・・・。涙
でもこれでいいんだ!
ポーランドにはポーランドのハロウィン(死者の日)=お盆があるんだ!
これはお盆であってハロウィンではない!
こうやってポーランドの文化を守っていくんだー!