「天の涯まで-ポーランド秘史-」
先日、ガイドした方からこの本を頂きました。
この本の存在は以前ガイドした方からも話には聞いていて、
今度日本に帰ったら探してみよう~と思っていたところだったのでそれがまさか
いただけて“私に早く読めと言っているに違いない!”と
夜1冊ずつ読みました。
読み終わって、疲れたというか一山超えたというか、
完全に漫画の世界に入り込み、ほっと一息ついたような、そんな気分でした。
私は国籍は日本ではありますが、よりこの土地がポーランドに住む者として誇りに思いました。
これは17世紀の国が消滅する時の話ですが、そんな悔しさも主人公のユゼフ・ポニャトフスキを通じて今でも感じるポーランド人の愛国心、誇りの高さが漫画を通して「これは昔からなんだ」と伝わってきました。
分割の時代のポーランド
1763年 ユゼフ・ポニャトフスキが生まれる
1764年~ スタニスワフ・ポニャトフスキの治世(~1795年)
1772年 第一次ポーランド分割
1793年 第二次ポーランド分割
1794年 コシュチュシュコの蜂起
1795年 第三次ポーランド分割でポーランド消滅
1797年~ ポーランド軍、フランス軍を手伝う(ナポレオン)
1806年 ナポレオンのプロイセン戦役/ヴィエルコポルスカ蜂起/フランス軍がワルシャワ占領
1807年 ワルシャワ公国の創立(ポーランドとはさせてもらえなかった)/憲法の制定
1812年 ワルシャワ公国軍、ナポレオンのロシア遠征に加わり裏切られる
1813年 ユゼフポニャトフスキ死去
1830年~11月蜂起~1831年
分割というよりも、ジリジリと蝕まれた感じなんですね。
「疫病でたから、広げない代わりに土地くれ」みたいな理由だったとか。
そして人を信じやすく、優しすぎ、かつ忠誠心が強く真面目。
それを全部利用されて、フランス・ロシアに好き勝手やられて・・・
プロイセンについては描いてなかったので分かりませんが、のちのちドイツはドイツでとんでもないことになるので、大陸続きでもポーランドの文化が島国のような感じなのも納得です。
でも、逆にロシア側目線のこの時代の話や、フランス目線の話も聞いてみたいとも思いました。一体ポーランドの事はどんな風に映っていたんだろう?本当にただのお人よしの使い捨て駒だったのかな。
歴史が苦手な私でも、マンガなのでとても分かりやすく、
またとても描写の細かい綺麗な絵なので、昔の貴族の暮らしの様子が良く分かり、
建物もそのままなので場所もすぐ分かり、
今となっては今までぷらっと行っていたワジェンキやヴィラヌフ宮殿が、
この漫画を読んでからは想像するだけでも見方がかなり変わりました。
何よりも、ポニャトフスキにしてもコシュチュシュコにしても、ポーランドには地名だったり橋の名前だったり山の名前だったり、色んな所についている名前なので、とても馴染みがあったので、それらも今はもうただの名前ではなく、「あのポニャトフスキの名前がついている橋」「あのコシュチュシュコの名前がついている山」と、その名前がつけられたことを誇りに思うような、不思議な気分です。
池田理代子先生といえば、ベルサイユのバラを描いた方で有名な方ですね。
私は実はベルバラは読んだ事がないのですが、あとがきをみると先生らしい話のまとめ方だと
歴史評論家の方の意見も書いてあって、素敵な男性に惹かれる女性の姿だったり、
ロマンスの描写がそれらしいのでしょうか^^人間味溢れるストーリーがよりひきこまれました。
クラクフのヴァヴェル城大聖堂に眠るポニャトフスキとコシュチュシュコに会いに、
またヴァヴェル城を訪れたいと思いました。
私がいただいた本は、見た目は文庫本でひらいたらマンガでびっくりしたのですが、
古本屋さんに行ったら、いろんなパターンがありそうですね!
楽天で調べたら、値段も様々ではありましたが、(下巻があまりないみたい)
ポーランドに来る予定がある方、
世界大戦よりもっと前のポーランドの歴史に興味がある方、
なんとなくこれを読んで気になった方、
是非読んで見てください^^